転び方を教える、という子育て

—— 転び方を教える、という子育て

失敗はダメなもの。
できないことは、避けるべきもの。

子育てをしていると、
そういう空気に触れる場面は意外と多い。

でも最近、
自分の中では少し違う感覚がはっきりしてきた。

教えたいのは、転ばない方法じゃない。
転び方のほうだ。


目次

自転車の練習で思い出したこと

息子が6歳の夏に、自転車を買った。

最初は補助輪つき。
月に4〜5回、1回あたり1時間くらい。

それを4か月ほど続けて、
一度、補助輪を外してみた。

結果は、うまくいかなかった。

バランスを崩して、
怖くなって、
その日はそこで終わり。

でも、次に外したときは、
あっさり乗れた。


「すぐできた」ように見えるけど

その話をすると、

「すごいね」
「運動神経いいんだね」
「すぐできるタイプなんだ」

と言われることが多い。

でも実際は、

  • 何か月も補助輪で回っていた
  • 転びそうになる感覚を何度も味わっていた
  • 怖さも、バランスも、体で覚えていた

という積み重ねがある。

ただそれは、
外からは見えない。


転ばせないようにする、という誘惑

親としては、

転ばないように支えたくなる。
失敗しないように先回りしたくなる。

それ自体は、自然な感情だ。

でも同時に、
こうも思う。

転ばないまま進むと、
転んだときに立ち上がれない。


教えるのは「成功」じゃない

このときに教えたいのは、

  • どうすればうまくいくか
  • どうすれば失敗しないか

ではない。

教えたいのは、

  • 転びそうになったときの感覚
  • 怖くなったら止まっていいこと
  • 一度降りても、また乗っていいこと

つまり、
失敗しても大丈夫な動き方


試行回数は、才能より先に来る

「できる・できない」は、
結果でしかない。

でも、

  • 試した回数
  • 失敗した回数
  • 怖さを超えた回数

は、ちゃんと体に残る。

転び方を知っている子は、
次に挑戦するとき、無意識に力を抜ける。

それは、
才能というより、経験だ。


子育てでやりたいこと

だから今、
子育てで一番やりたいのは、

転ばない人生を用意することじゃない。

転んでも戻ってこられる感覚を、
早いうちに持たせること。

立ち上がるスピードは、
早くなくていい。

「またやってみよう」と思えること。
それだけで十分だ。


まとめ(自分用メモ)

  • 失敗は、避けるものじゃない
  • 見えない試行回数が、あとで効いてくる
  • 教えるべきは成功より、転び方
  • 立ち上がれる感覚があれば、先は続く

転ばせないことより、
転んでも大丈夫だと思えること。

今は、
それを一緒に練習している。

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