—— 蟹穴主義と『Just Keep Buying』で考える
年始に、部署内のグループチャットで
社員持株会の新規入会・拠出金額変更の案内を共有した。
すると、こんな質問が返ってきた。
「まず始めるなら、いくらぐらいからスタートするのが良いでしょうか?」
これは、軽く答えていい質問ではない。
なので、思想 → 理屈の順で、少し時間をもらって整理して答えることにした。
① 思想編:正解の金額は存在しない
結論から言うと、
持ち株会の拠出額に“正解”はない。
我が社のフィロソフィーを自分なりに解釈すると、
この考え方は、次の3つに集約される。
- 蟹穴主義
- 足るを知る
- 継続重視
背伸びをしない。
今いる場所を深く掘る。
生活に無理が出ない額を、長く続ける。
金額の大小より、
続くかどうかの方が圧倒的に重要、という話。
② 理屈編:最近読んだ本の考え方
思想だけだとフワッとするので、
次は理屈の話。
最近読んだ
Just Keep Buying
の考え方をベースに整理する。
この本で一貫している主張はシンプルで、
「何に投資するか」より
「今、自分がどのフェーズにいるか」が大事
というもの。
③ まず前提:持ち株会は何のための制度か
この本の文脈で見ると、
持ち株会は投資商品というより、
貯金力を上げる装置
という位置づけになる。
特徴は以下。
- 給与天引きで、強制的に残る
- 相場を考えなくていい
- そこに「奨励金」が乗る
つまり、
判断を減らして、お金を残す仕組み。
④ 奨励金12%の強さ
我が社の持ち株会は、
購入額に対して奨励金12%がつく。
例として、
- 毎月2万円拠出
- → 最初から 22,400円分を保有している状態
数字的には、
元本保証ではないが
買った瞬間に12%のクッションがある
という状態に近い。
- ノー判断
- 毎回
- 初期から12%の余裕
これを、普通の投資商品で毎回再現するのは、ほぼ不可能。
⑤ 株価が下がることもあるよね?
これは事実。
会社の株価は普通に下がる。
本も、そこを無視していない。
重要なのは、
- 株価が上がるか当てに行く
- 将来何倍になるか期待する
ための制度ではない、という点。
持ち株会は、
下がる前提でも耐える設計の貯金装置
という扱いになる。
- 2万円拠出
- 奨励金12% → 22,400円スタート
- 株価が▲12%程度まで下がっても
→ 実質プラマイゼロ
この初期クッションが本質。
⑥ どんな人に向いているか
このフェーズで向いているのは、
- まだ貯金が増えにくい人
- 投資の上下でメンタルが揺れる人
- 何から始めればいいか分からない人
本の文脈では、
この段階で奨励金12%を取りに行かない理由がない。
⑦ じゃあ、いくら入金したらいいのか?
ここで、よくある
「月◯万円が正解」
「収入の◯%が目安」
という話は出てこない。
本の答えは一貫している。
無理なく、一生続けられる額
- 生活が苦しくならない
- 引き落とされても気にならない
- 不況でも止めなくて済む
金額に正解はない。
⑧ 補足:税金の話(重要)
持ち株会は非課税ではない。
- 売却益(値上がり益)
→ 約20%課税 - 配当金
→ 同じく約20%課税
これは、
- 自社株
- 個別株
- 特定口座の株
すべて同じ扱い。
👉 NISAのような非課税制度ではない。
⑨ 資産が増えてくると、判断軸が変わる
元本が育ってくると、
- 入金額より、運用の影響が大きくなる
- 税金が気になり始める
- 給料と資産が同じ会社に偏るリスクが見えてくる
この段階では、
奨励金12%< 分散・非課税・市場全体
という比較に変わる。
⑩ 「持ち株会をやめる」とはどういう意味か
本的な意味での「やめる」は、
- ❌ 全部売る
- ⭕ 新規で増やすのをやめる
という判断。
- 強制的に残さなくても貯まる
- お金の不安がかなり減った
- 給料と資産の集中が気になり始めた
このどれかが来たら、
新規積立を止めるという選択肢が出てくる。
まとめ
- 持ち株会
→ 貯金フェーズの装置 - 奨励金12%
→ 下落前提でも効くクッション - 税金
→ 売却益・配当は課税 - NISA
→ 運用フェーズの非課税の器 - 判断軸
→ 何が得かより、今どのフェーズか
最後に一言
株価は下がることもある。
売れば税金もかかる。
だから、
奨励金が効いている間だけ
貯金装置として使う増やすフェーズは
NISAに任せる
という考え方になる。
今日は、そんな記録。
コメント